睡眠
良い睡眠とは何か
睡眠の方程式は
睡眠時間×眠りの深さ
です。
この掛け算の結果で、本人が眠りが足りていると感じればそれが良い睡眠となります。
掛け算なので、どちらか片方でも少なすぎると睡眠不足になってしまいます。
しかし掛け算ですから、足りないものを補うだけで
飛躍的に睡眠効率を上げる事も出来ます。
睡眠時間を伸ばす方法
睡眠時間を伸ばすには、早く寝る事です。
「睡眠不足の人」に寝る時間を聞くと
「○○時には床に着く」というような言い回しをする人が多いです。
床に着いただけで、眠りには着けていないという言い回しですね。
床に着いた時間≠眠りに着いた時間
ですので
床に着いてから眠るまでの無駄な時間は無くすべきです。
眠る為に床に着いたのであれば、眠る事に集中し
すぐに眠る事が一番時間効率が良いです。
すぐに眠る為の努力としては
1、何も考えない
2、何も見ない
3、身体を動かさない
この3点が重要な事だと思います。
1、何も考えない
何も考えない事は、とても難しいようです。
何も考えないように意識すると
「何も考えないようにする」と考えてしまっているからです。
それに、寝る前に横になって何か考えると、頭の回転が速くなっている
・・・ように感じてしまい、いろいろ考えてしまうようです。
何も考えないようにする為には、まずこの
頭の回転が速くなっているように感じてしまうメカニズム
を、説明するだけでも随分と変わってくると思います。
まず始めに
「人間は忘れる生き物で有る事」・・・①
そして次に
「人間の脳は、何度も同じ事を考えると考える速度が上がる事」・・・②
①+②より出る答えは
「頭の回転が速くなっているように感じてしまうような事があれば、それは忘れてしまっているけど何度も考えた事」
つまり簡単に言うと、寝る前に考えるような事は
『忘れているけど何度も考えた事』
と言う事になります。
どんなに記憶力が良い人でも
寝る前に考える事はとても忘れやすく
結果が出た事も途中の経過もとても忘れやすい
というのが人間の脳のメカニズムなので、むしろ忘れる方が当然なのです。
これらのメカニズムさえ分かってしまえば
寝る前に考える事がどれだけ無駄な事かが分かって貰えると思います。
そのメカニズムが完全に理解出来れば、寝る時に物を考えないようになりやすいです。
しかし、それでも寝る時に何か考えてしまうのであれば
そのような無駄な事をしないようにする方法は、
『紙に書く事』です。
悩むような考えが出た時にメモに取り
ついでに考えて答えが出てしまった場合は、ついでに答えも書いておく。
人間の脳の構造的にも、これが一番良い方法です。
2、何も見ない
何も見ないようにするには、目を瞑る事です。
しかし、人間の目の構造では目を瞑っただけでは何も見ない事にはなりません。
人間の目は瞼を閉じていても周囲の明るさを感じてしまうので
光が瞼に当たらないようにする必要が有ります。
電気は消す。それが嫌なら
アイマスクをする。
外が明るい時間に寝る人ならば
遮光性の高いカーテンにする。
などが効果的です。
他に出来る事は、目を開けない事です。
なかなか眠れない人は、目を開けて
時計を見てしまう人が多いようです。
時計を見たい理由は、
①時間を知りたい(あと何時間眠れるか知りたい)
②目覚まし時計が壊れていないか気になる
③一度鳴った目覚ましを消して寝てしまっていないか気になる
などです。
①で、あと何時間眠れるのかを知ろうとする事は
起きる時間-現在の時間=残り時間
という、簡単すぎる計算なのですが
いくら簡単でも物を考える事になるのでしてはいけません。
寝る時には眠る事に集中し、時間など気にしないのが良いのです。
②に対しては、目覚まし時計を複数個用意する事で
1つ止まってしまっても大丈夫なようにする。
③に対しては、目覚まし時計を立ち上がらないと届かないような場所に置く事で
立ち上がった時に目を覚ますようにする。
などで対処しましょう。
3、身体を動かさない
身体を動かすには、脳が指令を出して身体が動いています。
脳が活発に働くと眠りにくくなるので、あまり身体を動かすべきではありません。
身体を動かす時に、特に脳が活発に働いてしまうのが
指先を動かす時です。
寝ようとする時に指先を使ってしなければならない動作は
身体を掻く事でしょう。
身体を掻くのは、身体が痒いからです。
つまり
というループに入り、なかなか眠れなくなる人が多いようです。
この、痒みで眠れない事に対しては
痒みを引き起こす原因を究明する事が先決です。
蚊に刺されて出る痒みならば
蚊対策をして
刺された場所に痒み止めを塗る。
布団のダニが原因なら
ダニ対策をする。
何も無くても我慢できずに掻いてしまい眠れない程であれば
アトピーや湿疹、などの皮膚病の可能性がありますので
皮膚科に行って診て貰いましょう。
深く寝る方法
眠りを深くするコツは、ストレスを溜めない事です。
自分なりにストレス発散方法を考えてストレスを溜めないようにしましょう。
「明日は起きたら大事な事をしなければならない」
などと言う事を考えるのは、起きてから考えるべきです。
寝る時に忘れて寝ると起きた時に忘れてしまっているかも知れない
などという不安が有るのなら、その事をメモに取ってから
全ては明日の自分に任せて、今の自分はぐっすり眠りましょう。
後は、眠るのに最適な環境にする事です。
人間が眠るのに最適な環境とは
①適度な湿度
②適度な室温
③適度な暗さ
④適度な静かさ
などが必要です。
①適度な湿度
人間に適度な湿度は40%~60%とか、40%~65%とか言われています。
湿度が足らなければ、寝起きに喉がカラカラに乾いていて
喉を痛めていたりします。
そのような状況だと、喉が渇いて目覚めてしまいやすく
眠りも浅くなりやすくなります。
湿度が低すぎるのであれば
加湿器などで湿度を上げましょう。
逆に湿度が高すぎる場合は、カビの原因となります。
カビが発生すると、空気中にカビの胞子が大量に舞う事になり
それが肺に入ると、咳・病気の原因となります。
当然、頻繁に咳をするような状況では眠りにくいですし
深く眠る事も難しくなります。
湿度が高すぎるのであれば
除湿機などで湿度を下げましょう。
②適度な室温
人間が眠るのに適度な室温は18℃~28℃と言われています。
人間は冬眠しませんが、それでも室温が下がり過ぎると影響を受けます。
どのような影響を受けるかと言うと、簡単に言うと睡眠欲が増えてしまいます。
睡眠欲が増えてしまうといくら寝ても眠くなるので、眠りの深さ以前の問題になってしまいます。
逆に室温が上がりすぎるとどうなるかと言うと、寝苦しくなります。
寝苦しくなると言う事は、目が覚めやすくなる
つまりは、眠りが浅くなると言う事で良くありません。
自分に合った適温に保つようにしましょう。
③適度な暗さ
人間の目は瞑ったままでも豆電球の明かりですら感じ取ってしまう程に敏感です。
それは、眠って居ても影響を与えてしまい、深く眠る事を困難にしてしまいます。
眠る時には出来る限り暗くしましょう。
④適度な静かさ
眠る時には静かにして欲しい、というのは当然かと思います。
しかし人間は慣れてしまうと、結構な騒音の中でも眠れたりします。
ただし、例え小さい音であっても人間にはなかなか慣れる事の出来ない音などが有り
それが安眠妨害になりやすい音となります。
睡眠時に迷惑になる音の代表的な例を三つ挙げると
一つ目は、人間に不快な音。
例を挙げると、目覚まし時計の音や緊急警報の音などです。
こういった音は、大きな音で鳴らす場合が多いですが
実は人間が『人間に気付かれるように作った音』なので、小さく聞こえてもかなり耳障りな音になっています。
二つ目は、自分だけに向けられたと感じるような、普通では無い聞こえ方をする音。
どのような聞こえ方をするかと言うと、片耳だけ聞こえる、といったような聞こえ方です。
寝ている時に蚊が飛んで来ると耳障りなのはそういう事です。
三つ目は、人間の話し声。
人間の声は、無造作に放たれている音では無く、意味があります。
人間の脳は、人間の声が聞こえると無意識的に耳を傾け、その声の『言葉』の意味を知ろうとしてしまいます。
その為、脳が勝手に活発に働いてしまう事によって、眠りが浅くなってしまうのです。
これらの小さな音がしている上で寝なければならないのであれば
耳栓をして聞こえないようにすれば眠りやすくなります。
生活習慣病になりやすい人
不眠症は、そのほとんどの人が生活習慣病だと言われています。
生活習慣病を治そうとするのならば、生活習慣の改善をしなければ治らないのです。
生活習慣病を治せない人というのは、なぜか
「即効性を期待する」という傾向に有ります。
まず生活習慣病を治す方法に、即効性が有るものは無いです。
例:カルシウム不足で骨が弱い人がたった三日カルシウムを採っただけで骨が強くなるはずがない、等。
そして、生活習慣病を治せない人というのは、なぜか
「効果が感じられなければ二度とその方法をしない」という傾向に有ります。
生活習慣病を治す方法はかなり多く有る代わりに、一つ一つは効果が薄いという特徴が有ります。
ええ、それはもう、まるで効果が無いように感じる程です。
ただ、本当に効果が全く無い訳では有りませんし
何より、その効果は他の物と組み合わせる事が出来ます。
つまり、生活習慣病を治そうとするのであれば
『即効性が無い事を認識し、効果が無いように感じられても続けて、更に治るまで他の事を追加していく』
というのが正しい治し方なのです。
眠る事に付いての考え方
私から見ると不眠症の人は、寝る事を嫌っているように見えます。
その理由は、
「寝たと思ったら目覚ましが鳴って起こされて起きなければならない」
とか言っている事です。
まず、起こされるとストレスになります。
そして人間は、選択肢が無いような問題に非常にストレスを感じますから
という悪循環に陥る訳です。
その悪循環を抜け出すには
早寝早起きをしたら良いだけなんです。
自分から目が覚めてしまうほど早く寝てしまえば、起こされるという無駄なストレスを感じる事は無くなり
目が覚めてしまっても時間に余裕があれば、二度寝するという選択肢も増えて
選択肢が無いというストレスを感じる事が無くなります。
そうなると眠るのを嫌う理由が無くなり
眠る事を楽しいと感じられるようになりやすいのです。
睡眠は、一日8時間寝るとすると、人生の1/3
一日6時間寝るとしても、人生の1/4もの時間を費やします。
世の中には
「眠る=何もしない時間、そんな無駄な時間など少ない方がいい」
という考え方を持って無理矢理起きて他の娯楽を楽しもうとするいる人も居るようですが
眠る事自体を娯楽と考えれるようになると、自動的に
人生の1/3や1/4が娯楽になるのです。
ものは考え方ですが、睡眠は人間にはどうしても必要なものです。
それを楽しいと感じるだけでも、かなり人生観が変わると思いますよ。
ついでに
寝起きが苦手な人へのアドバイス
眠りを深くすると、目覚めも爽快になりやすいです。
睡眠が足りている・・のも有りますが
起きようとする時にメリハリを付ける事が出来るようになるので目覚めやすくなります。
眠りを深くする方法が分かれば
起きたい時間に意図的に眠りを浅くすれば目覚めやすくなるのです。
私の場合は、目覚ましが鳴るととりあえず電気を点けます。
それだけでも随分と目覚めやすくなります。
それでも駄目なら、室温を上げたり、テレビを付けたりすれば起きやすいです。